居酒屋兆治   

 五時になった。兆治は、そろそろ縄暖簾(なわのれん)をおろし、赤提灯(ちょうちん)をさげ、灯をいれようかと思った──
一日に、二万円の売り上げがあればいいと思っていた。それ以上、欲をだすと、ロクなことはない。赤提灯で終わりたいと思っていた。


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 兆治のモデルとなった八木さんが脱サラして「文蔵」を開いたのはその4年前。日本は石油ショックに揺れていた。会社の異動で総務部に配属され、社員の首切りに手を貸さなければならなくなった。それが嫌でやめたという。
 失業保険をもらい、職安に通った。もう会社勤めをする気はなかった。国立駅前で人気のあった屋台「まっちゃん」で修業して始めたのがこの店だ。
 以来29年。もつ焼きの師匠だった「まっちゃん」も、ひいきにしてくれた山口も世を去った。「町も人もだいぶ変わりました」
 それでも時折、思い出したようになじみの客がやってきて、「兆治」の串で酒を飲む。






「居酒屋兆治」....これはやっぱり高倉健でしょう。
背中で演技が出来る役者..高倉健...やっぱり一番好きな役者である。
番外地の頃も知っているが、やっぱりこの辺り、更には「駅」(これはまた次の機会に)の頃が一番じやないですかね。そんな健さんも、もう75くらいですかね。それでも歳を感じさせない。

兆治ときたら、どうしても村田兆治を思い浮かべてしまうのですが、山口瞳の原作の説明を読んでみるとやっぱりそうなんですね。しかし原作では「国立」ですか。
確か2回ほどしか行った事ないですが、昔ではまだ珍しかった大きな通りがある文教都市、さすが東京だなと思ってしまった。
今では全国に似た様な都市が出来て来ましたがあの当時は珍しかったですね。
最初はこの街では何でも国立(コクリツ)なんだなと感心してたものですが。
分かってみるとややこしい。

その点、映画では函館...これがイメージにぴったりですね。
高倉健はもう言う事ないですが、大原麗子..こういう役やらせるとはまりますね。
伊丹十三...小憎らしい役にぴったりなんですが、惜しいですねこの人は。役者でも監督でもまだまだ活躍出来たのに。
加藤登紀子...何か批判されてましたがこの人はこのモチーフでいいんじゃないですかね。


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居酒屋兆治(1983)
函館の街を舞台に小さな居酒屋を営む男と初恋の女とのすれちがう想い、その店に集まる人々の人生模様を描く。山口瞳原作の同名小説の映画化で脚本は「未完の対局」の大野靖子、監督は「駅/STATION」の降旗康男、撮影は、「小説吉田学校」の木村大作がそれぞれ担当。

居酒屋で欲も無く人生を生きて行く。
いいですね。理想的です。
私だったらジャズ喫茶ですね。
それで食えて行けたら何も文句はないです。

もう20年も前の映画なんですがお薦めの映画です。
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by e_jovanni | 2006-10-14 00:30 | 映画

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