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雨あがる   

以前から気になっていた映画でしたが、チャンスがなくて見てなかった。
たまたま、見た新聞のテレビ欄で深夜に放映される事を知って録画して後日やっとのことで見る事が出来ました。
黒沢映画はほとんど見てますので、すごく気にはなってはいたのですが漸くですね。

1998年9月6日、世界の巨匠黒澤明の死は世界中のマスコミが報道した。ヴェネチア国際映画祭では急邊『羅生門』を追伸上映するなど、その死は多くの映画ファンに惜しまれた。その黒澤明が最後まで映面化を目指した企画が『雨あがる』である。山本周五郎原作を黒澤監督が映面化した作品に『椿三十郎』『赤ひげ』『どですかでん』があるが、生前に映面化に向け「なんの花か薫る」「つゆのひぬま」を脚色した『海は見ていた』、そして最後に短編小説を脚色したのが『雨あがる』であった。この脚本を28年間助監督として師事した小泉堯史が完成させ、初監督に挑戦。黒澤組スタッフとゆかりのキャストが結集して、監督デビュー作を支えている。本作は1999年ヴェネチア国際映画祭で1周忌を追悼し特別上映された。会場を埋めつくした観客は上映が終了するとともに総立ちになり大喝采を送り本作を讃えた。黒澤明白身の覚書には次のことが記されている。戦国時代が終わり、その反動で豪奢な元禄時代があり、その奢侈に飽きて質実尚武を尊ぶ享保の時代が舞台である。夫婦の話である。そして、見終わって晴れ晴れとした気持ちになること。
妻は夫に対して、仕官できなくても良い、人を押しのけず真実な人々に希望を与える夫が立派だと考えている。本作を貫いているのは、山本周五郎が書き、黒澤明が脚色し、"黒澤組"の結集の下に小泉堯史が表現した、こうした"優しさ"だろう。本作は見事に小泉堯史監督作として完成した。


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 正直、この時代にこんな人が存在したのか非常に疑わしい気持ちも持ったが、人を押しのけてまで出世することが出来ない心優しい武士と、そんな夫を理解し支える妻の心暖まる絆、これはホント見終わって晴れ晴れとした気持ちになりましたね。

ただ、一点だけ城主役の三船史郎...この方の演技だけはなんかおかしかったしぎこちなかった。三船敏郎とそっくりだから親の代わりにって事かもわからないですが三船敏郎だったらもう少し重厚な感じになった様に思うのだが。
黒沢組が総出演ですかという感じになってました。なにもそこまでという気がしましたが。


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時は絢燗の元禄を経た質実の享保時代。武芸の達人だが不器用で仕官がかなわない武士、三沢伊兵衛とその妻たよ。折からの豪雨が旅の途にある夫婦を宿場町に足止めさせる。二人が泊まる安宿には雨が上がるのを鬱々と待つ人々が大勢いた。そんな彼らの心をなごませようと伊兵衛は禁じられている賭試合で金を都合し、酒や食べ物を振る舞う。人々に笑顔が戻った時、雨もようやく上がった。やっと外に出られた伊兵衛は偶然若侍同士の果たし合いに遭遇、懸命に彼らを止めるのだった。その一部始終をこの藩の城主である永井和泉守重明が見ており、伊兵衛に藩の剣術指南番の語が起こる。
主役の三沢伊兵衛には『乱』『夢』『まあだだよ』に主演した寺尾聰が扮し、強い剣豪ながら仕官出来ない心根の優しい浪人を好演している。妻のたよには『乱』の宮崎美子が、夫を優しく支える武家の妻を爽やかに演じている。城主の永井和泉守重明には28年ぶりに映面出演となる三船史郎。そのほか、黒澤映面ゆかりの仲代達矢、松村達雄、原田美枝子、井川比佐志、吉岡秀隆などが脇を固めており、小姓役で黒澤明の愛孫である加藤隆之が映画デビューするのも話題である。スタッフは黒澤明が長年信頼してきた"黒澤組"が結集。撮影に上田正治、撮影協力に斎藤孝雄、美術に村木与四郎、照明に佐野武治、録音に紅谷愃一、衣裳に黒澤和子、音楽に佐藤勝、監督補に野上照代とまさに一騎当千の盤石な構えで、堅固な技が披露されている。製作は『乱』を手掛けた原正人と黒澤久雄が担当。黒澤明ゆかりのスタッフ、キャストの熱い想いが黒澤明の果たせなかった企画を今、現実にする。


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寺尾聰 (てらお・あきら)
彼の飄々とした演技は大したものです。うーんまだ父親を超える事は難しいでしょうがまたひと味違った俳優として完成されていると思います。宇野重吉に届くには同じだけの歳にならないと無理でしょうね。

by e_jovanni | 2006-03-06 00:49 | 映画

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