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或る人への手紙 その1   

 この手紙は、一ヶ月ほど前に或る人へ書いた手紙です。
元々、一通の手紙が来た事で口では伝えがたいと思い、今までここで書いた内容を付け加えながら書きました。詳しい事情は書きませんが内容でお察し下さい。
不都合な所は消しますが、私の心からの手紙であり何人かには読んでもらっております。
これでクレームが有るようでしたら、このBlogを一旦閉めたいと思います。
是非、心ある方がお読み下さる事を希望します。
少し長いので、2~3回に分けて掲載します。

或る人への手紙 その1_d0040314_232243.jpg






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○○○さんへ



お元気ですか。
いつもお世話になっております。
何も気遣いが出来ず申し訳なく思っております。
口ベタも有りますが生来の性格として本当に心からの言葉はシャイな所も有って
自分で感激してしまって言いづらくなります。機械的に言うのであれば何でもおべんちゃらでも言えるのでしょうが、そう言う事は元来苦手としております。

 私も若い頃は結構怒ったりしてたものですが、歳を経て来るとどうしても相手の立場を先に考え怒る事が出来なくなってしまいました。相手が怒れば私の方に何か悪い所が有ったのだろうかと考える毎日です。逆に自分を責めてしまってシンドイ目をする所がどうしてもあります。

 人間は一人では生きていけません。お互いに迷惑をかけ、またかけられて生きていくものなのです。その分を本来ならその方にお返ししないといけないのでしょうが、私は広くその恩を、また他の方に自分が出来る事をお返しすれば良いと考えております。それでこそ人間社会というものは回って行くのではないでしょうか。

 人間というのは本当に弱い動物です。いかに強がりを言っても大きな力にはコロッと信念を曲げてしまうものです。学生時代にそういう姿を見せつけられてしまって一時厭世観に陥ったものですが、逆に弱いのだから人間同士が助け合って生きていく事が必要だと思い至りました。人生のはかなさもこの時期と震災の時にすごく感じました。
 それでも若い頃には色んな人に迷惑をかけながらも生きてきました。今考えれば気恥ずかしい事です。どんな人間であってもこの世に生まれてきたからには不要な人はいません。どんなに仕事が出来なくともそこにいるだけで和みを与えられる人もいます。私なども最初の頃は仕事が分からずあらゆる人に迷惑をかけて生きてきました。それゆえ、出来ないだけで人を排斥するのは非常に心苦しく感じてなりません、ですから私には非情にもならないといけない経営者など、とてもじゃないですけど出来ないと思います。
世の中には完璧な人間などいません。長所もあれば欠点もある、それでお互いに助け合って生きていくのが人間社会だと思います。

 私の尊敬する人物に宮沢賢治がいます。
或る人への手紙 その1_d0040314_2230880.jpg「雨ニモマケズ」の詩が特に好きで、私もこういう人物になりたいと思っているのですが、まだまだその域に達する事は出来ません。生涯をかけても近づく努力はしていくつもりです。
たとえ殺されようとも私にはまだ足りない点があったんだ、申し訳ないという気持ちで相手を責める事は出来ないと思います。


 生きとし生けるもの、全てに終わりがあるのは事実です。
そうやって次の世代に託すのがこの世に生を受けたものの義務であり
今までの人類がそうやって生きてきたのもまた真実だと思います。


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次回に続く。

by e_jovanni | 2006-01-04 22:43 | 手紙

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